第33章 土地を送る件、どうやら駄目になった

宮本と名乗る人間なら、世の中にいくらでもいる。

けれど――「宮本さん」と呼ばれ、誰もが一歩引く、その宮本はひとりしかいない。

四大家の一角、宮本家の社長。宮本景太。

男は背筋がすっと伸び、輪郭は硬質で、眉間に感情はほとんど浮かばない。なのに、骨の髄から滲むような圧があった。言葉より先に、空気が屈する。

春山明奈は、そこでようやく夢から覚めた。

目の前のこの男が……宮本景太?

瞬間、頭のてっぺんから足先まで冷えきった。父があれほど激昂した理由が、やっと腑に落ちる。

息もできない。顔色は青くなったり白くなったり忙しく変わり、膝が勝手に震えだす。

「も、申し訳ございません……宮……...

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